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《ベニスの商人》 [映画・芝居]

友人が
「これ絶対見逃さない方がいいよ」って
なんとか一枚手に入れてくれたチケット片手に
彩の国さいたま劇場に向かった。

シェークスピア劇 蜷川幸雄演出 「ヴェニスの商人」
シャイロック.jpg
ユダヤの悪徳商人シャイロックを演じるは
市川猿之助。

見逃さなくて良かった。
やっぱすごいや。

ただ単に〈勧善懲悪〉の戯曲としか
これまで理解してなかったけれど
だんだんと
悪徳商人シャイロックに気持ちが動いてしまう。

亀ちゃん、もとい猿之助のシャイロックは
外見この上なく汚らしく
金に対する執着ぶりったら
この世で最も醜悪な人間にしか見えない。

なのに最後のシーンでは
血の涙を流しているかのような
苦渋な表情に
観客は同情さえ覚える。

まるで非劇の主人公だ。

観客席を通って消えゆく
シャイロックの悲痛な表情は
底知れぬ深い人間の業そのものだった。

花道こそないけれど
歌舞伎を思わすような
たっぷり間をとった台詞まわしや動きに
「澤瀉屋!」
と大向こうをかけたくなった
という友人の気持ちもわからなくもない。

芝居においてはヒーローも良いけど
やはり悪役は最高に
うま味のある役どころではなかろうか。

ふっと
悪役やらせたら絶品の
亀ちゃんのいとこの香川照之さん
その面影が想い浮ぶ。

そうだ!
今夜 『半沢直樹』最終回。

現代版 金貸し‟シャイロック”
最後のその苦渋の表情を見せてもらわなきゃ。

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